大学校では何が学べるか
学科と専攻
学科 | 定員 | 入学資格 | 専攻部門 | 教育目的 |
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研究科 (1年制) | 10名 | 大学・短大卒以上 | 作物園芸、葉菜、花卉・果樹、酪農、養鶏 | 農業指導者 農業自営者 農業関連従事者 |
研究科 (7ヶ月短期 コース) | 若干名 | 大学・短大卒以上 | 作物園芸、葉菜、花卉・果樹、酪農、養鶏 | 農業指導者 農業自営者 農業関連従事者 |
専修科 (2年制) | 30名 | 高校卒以上 | 作物園芸、葉菜、花卉・果樹、酪農、養鶏 | 農業自営者 農業関連従事者 |
実践教育の特色
本校は、広大な学校農場を実践教育の場としながら、毎年目標を立てて農場経営を行っています。具体的には、農場を構成するそれぞれの部門が経営目標の達成を目指して、作物の作付けや家畜の飼養計画を立て、それにそって生産から販売まで一貫した管理運営を行っています。 もちろん、その経営の実践には担当の先生が率先して当たっていますが、学生もそれに参加することによって、生きた生産技術と経営管理能力を身につけるというのが、本校の経営実践教育の特色です。 例えば作物園芸部門では、先生の指導のもと、野菜の数品目について播種から出荷までの管理を専攻の学生に任せます。それによって学生には責任感が生まれ、それをやり遂げることで深い喜びと達成感を得ることができ、同時に生きた技術と経営が学べます。 |
カリキュラム
研究科 | 専修科 |
大学や農業大学校などで得た知識と本校での生産実習や経営実践を通じて、専門的農業技術と経営管理能力を兼ね備えた、新しい農業の経営者・指導者を養成します。
教育内容
1.大規模圃場、畜産での徹底した専攻実習と講義・ゼミ及びプロジェクト研究によって、専門的な農業技術と農業経営能力を養います。
2.学生の自主性、独創性が発揮できる学生管理試験圃でチャレンジできます。
3.日本の優れた農家や農業法人にむける研修で、実践的技術や経営手法、農業観を学びます。
4.各種試験場、先進農業地域、市場の視察や優秀農家、各界専門家による特別講義を受けます。
履修科目
農業経営/農村社会/農業政策/普及事業/海外事情/環境管理/地球環境と農業/食と健康/農畜産加工/農業概論/畜産概論/農業機械施設/農業簿記/生物学/土壌肥料概論/プロジェクト研究/先進農家研修
[専攻科目]
環境保護概論/作物栽培経営/野菜栽培経営/花卉栽培経営/土壌実験・演習/作物園芸ゼミ/乳牛飼養管理経営/養鶏飼養管理経営/畜産ゼミ
[選択科目]
農畜産加工演習/情報処理演習/土壌分析・診断/機械分解整備/山林実習
半年間のオールラウンド実習、1年間の経営に参加しながらの専攻実習、農家派遣研修などを通じて、農業技術と経営能力の向上に努め、新しい農業経営者としての資質を養成します。
教育内容
半年間、全部門での実践学習です。幅広い農業分野が体験でき、10月からの専攻実習へとつながります。
[専攻実習]
専攻部門での実習です。自分の畑、自分の畜舎でプロジェクト研究を行いながら、先生・学生一体となって1年間、農業の楽しさ、厳しさを肌で感じながら生産・流通・経営の知識、専門技術の修得を目指します。
[先進農家研修]
校内実習では得られない先進農家や農業法人での農業体験学習です。1ヶ月間、生きた農業経営の学習や農家の農業観、農村社会のしくみなどを学習します。
[総括学習]
選択科目による専門分野の充実・補完をはかるとともに、卒業論文をまとめます。
履修科目
農業経営/農村社会/環境管理/地球環境と農業/食と健康/農畜産加工/農業概論/畜産概論/農業機械施設/農業簿記/生物学/土壌肥料概論/プロジェクト研究/先進農家研修
[専攻科目]
環境保護概論/作物栽培経営/野菜栽培経営/花卉栽培経営/土壌実験・演習/作物園芸ゼミ/乳牛飼養管理経営/養鶏飼養管理経営/畜産ゼミ
[選択科目]
農畜産加工演習/情報処理演習/土壌分析・診断/機械分解整備/山林実習
専攻部門
トマト・キュウリ・ナス・ピーマン・メロン・スイカなどの果菜類と、バレイショ、スイートコーン、ソバなどを中心に栽培を行っています。栽培面積は約7ha。
専攻実習では、専攻生が各野菜を担当し、種まきから、定植、管理作業、収穫、出荷まで野菜栽培の基本技術と理論を体系的に学び、併せて試験・研究を実施しています。
地元の特産であるセルリーをはじめ、レタスやキャベツ、ブロッコリー、ホウレンソウなどの高原野菜が中心です。栽培面積約4.5ha。
春・秋は、堆肥散布や耕耘など大型農機などを使用した畑作りが主となり、本格的な栽培は霜の少ない6~9月に集中します。
また、冬期にはボカシ肥料や堆肥を作成し、有機物を使用した土づくりに努めています。
ガラス温室6棟2000m²、鉄骨ハウス1棟660m²、パイプハウス1棟140m²に加え、よそでは滅多に無いペレットハウスが1棟あり、ここでその抜群の保温性を生かして冬期の育苗を行っています。また春から秋にかけて花壇用の苗物や宿根草類、そして、シクラメン、リーガースベゴニア、プリムラ類、ゼラニウム等の鉢花を栽培しています。
また、ブルーベリー、ラズベリー等の果樹も栽培しています。
ホルスタイン種を主に経産牛90頭、育成牛60頭の計150頭を飼育管理しています。(その中には、ジャージー種やブラウンスイス種が含まれます。)
搾乳を早朝5時と夕方16時の一日2回行い、午前中に給餌、放牧、糞出しを行い、午後には牛入れや、給餌、牛舎の清掃、修理などを行います。
育成牛は5月から10月まで放牧し、健康な牛を育てています。堆肥づくりも行い、畑や草地の土づくりに役立てています。
高床式開放鶏舎を中心に、豊かな自然の中での放し飼いも行い、有精卵の生産も組み入れた、採卵鶏一万羽を飼育しています。
烏骨鶏や青い卵のアローカナ種も一部飼育し、毎日の実習を通して基本的な飼育技術、病気予防術、育雛による豊かな観察眼、経営能力について学習できます。
鶏糞も発酵させ、有機肥料として販売しています。
酪農で生産された新鮮で良質な牛乳を原料に、成分無調整の飲用牛乳、清浄な空気の下で熟成させたチーズ(10種類)、アイスクリーム(3種類)、ヨーグルトなどを校内の加工センターで製造し、直売所などで販売しています。
これらの乳製品加工についても、選択で学ぶことができます。
卒業後の進路
■これまでは家の農業を継ぐ学生が多かったのですが、最近は農業法人などに就職する学生が増えています。就職率はほぼ100%確保しています。
■近年、借地などによって新たに農業を始める卒業生もいます。
■また、青年海外協力隊に参加する卒業生も増えています。
■卒業後、引き続き国内や海外の先進農家で研修を行う道も開かれています。
※農業関連就職のほとんどは「農業法人」へ就職
※その他には「青年海外協力隊」を含む