校長のメッセージ

八ヶ岳中央農業実践大学校 校長 清水矩宏(しみずのりひろ)

長野県八ヶ岳山麓、諏訪盆地を見下ろす標高1,300mの高原に拓けた270ha余の大農場、ここが八ヶ岳中央農業実践大学校です。本校は長い伝統に培われた実践的な学習内容と八ヶ岳を仰ぎ日本アルプスを望む雄大な自然環境において日本一の農業大学校です。

昭和13年、疲弊した農村経済の復興にあたる全国的指導者の養成を目的に本校は設立されました。初代校長は、元農林大臣の石黒忠篤先生、二代目校長は元高知大学学長の久保佐土美先生です。卒業生はおおよそ三千名で国内のみならず世界中で活躍され、一流の農業経営者や農村の指導者はもちろんのこと、農業団体や政官界などで多くの先輩方が活躍されておられます。

本校では、広大な農場をキャンパスにして、高原野菜やスイートコーンなどの畑作、シクラメンや宿根草などの花き園芸、乳牛150頭による酪農、採卵鶏1万羽の養鶏など、耕畜両面にわたる農業を幅広く実践をとおして学べるようになっています。また、アイスクリームやチーズなどの乳製品加工にも本格的に取り組んでおり、生産された農畜産物や乳製品は、校内に設置された直売所で毎日販売されています。このように本校では、一次産業としての農業のみならず、二次・三次も加えた農業の六次産業化を体験しながら学ぶことができ、これが本校の大きな特徴のひとつとなっています。

さらに近年は、本校が日本最大の農林業教育ファームであることから、首都圏などから毎年2万人近い児童生徒が農林業体験学習に訪れています。都会の子供たちに、農業や食への関心を高めてもらうことはもちろんですが、「いのち」について学ぶ格好の機会ともなっています。また、社会人や高校生などを対象にした短期研修にも取り組んでいて、就農準備のための研修はもちろん、官公庁団体等の新任者研修等幅広い分野の社会人を対象とした研修も行っています。また、毎年夏休みの時期には高校生などを対象として1週間程度の研修生を全国から受け入れています。

このように、本校は幅広い方々を対象とした教育・研修をとおして、日本農業の発展に大きく貢献しています。「農業を志される方」「農業に夢をお持ちの方」「自然とともに生きることを目指される方」など、多くの皆様方のご来校とご入学を心からお待ち申し上げております。どうぞ私達と共に、この大農場で「夢」と「いのち」を育くみましょう。